ちょっと知りたい、印刷のこと

プリンターと印刷機

 現在、家庭用にも普及しているパソコンのプリンター。これを用いてプリントアウトすることも、「印刷」と呼ばれています。このプリンターを使っての「印刷」は、本来の印刷とは異なる仕組みです。
 印刷と、パソコンからのプリントアウト、何がそもそも異なるのでしょう。最大の違いは、印刷の場合は印刷の元になる「版」が必要だということです。パソコンに直接繋がっているプリンターを利用してプリントする場合、この版はもちろん必要ありません。それではなぜ印刷では「版」が必要なのでしょう。それは、考えるまでもなくコピーと違って、印刷は文字や画像を直接複写する事ができないからです。ですから、思い通りの位置にインクを乗せる方法が、版を使うという手段なのです。
 最近は一般家庭の中でも、安価なプリンターが当たり前のように利用されています。また、プリンター機能だけではなく、FAXやコピー機能を付加した複合機も2万円程度で購入できるようになりました。プリンターが発展したことで、印刷業界は少部数の小さな印刷という需要が消えさり、つぶれてしまった印刷屋さんも少なくありません。ですが、実はプリンターを使って大量印刷する事で、実は印刷する事よりもコスト高になっているケースもあります。最近は年賀状印刷なども低価格化が進み、フルカラー印刷の年賀状も手ごろな値段になりました。家庭用のプリンターは、プリンター本体の価格は安い物の、インク代が高くつくというのが特徴と言える商品です。ですから、同じものを複数作る場合、内容によっては自分でプリントアウトするよりも、印刷してしまった方が安くなってしまう事があるのです。いくらプリンターという出力機が普及しても、プリンター出力や、オンデマンド印刷よりも高い品質を持つ日本の印刷技術が、そうそう無くなりはしないのです。

↑ PAGE TOP