DTPソフトとは
DTPとは、デスクトップパブリッシングの略で、日本語では「卓上出版」と約される言葉です。レイアウトや編集など、印刷に必要な作業をパソコン上で行い、プリントアウトすることを意味します。
有名なDTPソフトは、Quarkの「QuarkXPress」という組版ソフト、Adobeの「InDesign」などです。以前はQuarkXPressのシェアが圧倒的だったのですが、製品価格もアップグレードも高額で、AdobeがQuarkXPressに劣らない機能を身に着けた時にはシェアの逆転が起こりました。
DTPソフトで良く誤解されているのは、アナログ作業で行っていた版下を作る行程をしてくれるソフトの事をDTPソフトだと思っている人がいるという事です。DTP作業は、ページのレイアウトを組んで、画像を張り込むだけのものだと思っている人が以外に多いそうです。ですがもちろん、「卓上出版」を可能にするには、それだけでは足りません。DTPソフトはもちろん、ワープロソフトのように直接文字を入力する事が出きます。ですがそれだけではもちろんだめで、テキストデータをDTPソフトに流し込む作業が必要になります。コピー&ペーストで貼り付ければ済むと思えるかも知れませんが、1000ページを超えるようなテキストデータは、クリップボードにコピーできないこともあります。ですから、クリップボードを経由しないで外部のデータを取り込む機能が必要になります。また、文字に限らず画像も、直接DTPソフトにコピーはしないのが普通で外部に画像データを置き、DTPソフトはその画像にリンクを張ります。これは画像データが大きくなりやすいというだけでなく、一度縮小してしまった画像を元の大きさに戻しても、画像が劣化することはありませんし、DTPソフトのデータそのものを小さく抑えることが出来るためです。
ですが、よく考えてみれば、DTPに求めるものは人によって異なります。分厚い本を作らなければいけない人もいれば、チラシのように単ページが扱えればそれでいいという人ももちろんいます。そうなってくると、後者の単ページレイアウトが出来るソフトもDTPが可能なソフトに含まれます。そして、DTPデザイナーなどに利用されることが多いアドビのイラストレーターというソフトは、同じアドビのDTPソフトであるページメーカーやInDesignでは、イラストレーターのように複雑な絵を描いたり、図形を描いたりすることが出来ません。また、写真などのビットマップの画像データがあったとして、その画像に様々な修正や加工を施すことも出来ません。単純にページレイアウトが出来るソフトだけでは、DTPが実現しないこともあるのです。