オンデマンド印刷とは
オンデマンド印刷とは、即時に印刷をすることを指します。オンデマンドとは、「要求(demand)に応じて」という意味です。テレビがデジタル放送になり、番組がオンデマンド配信されるようになりました。これはいつでも好きなときに、見たい番組が見られるということです。本来オンデマンド印刷とは、印刷方式そのものを指す言葉ではなく、オンデマンド可能な印刷という事でした。つまり、欲しいときに欲しいだけの部数の印刷をするということです。
印刷方式にはさまざまなものがありますが、一般家庭にパソコンが普及する以前は、印刷というものは時間がかかって当たり前でした。ですが、印刷屋さんが版を作り、印刷をして製本をする場合とは異なり、パソコンを使って印刷知識のない人でも無版式印刷であれば、そのまま印刷の元になるデータを作成できるようになりました。エクセルやワードなど、多くの人が使い慣れたソフトで作成したものがそのまま本にできるようになったのです。通常の印刷物は、校正という手間がかかりますが、自分が作ったそのままで印刷して欲しいというのであれば、この校正という手間も省くことができます。そして、プリンターの精度が上がり、短時間で大量の印刷が可能になった今、オンデマンド印刷することが可能になったのです。そのため、デジタル印刷とオンデマンド印刷が混同されてしまっている向きもありますが、デジタル印刷する事がオンデマンドではないのです。
オンデマンド印刷機とは、通常の印刷物とは異なり、パソコンのプリンターと同じ方法で印刷されることがほとんどです。つまり、レーザープリンターもしくは、インクジェットプリンターです。といっても、オンデマンド印刷機というと、家庭用のプリンターとは異なり、比較的大きなサイズの用紙にも対応しています。ただし、オフセット印刷のように大きな紙に印刷することはできません。
オンデマンド印刷は、必要なときにすぐに印刷できるのが語源であり特徴です。ページ数、部数によっては即日印刷が終わり、納品されます。そして短納期、小ページ数、小部数の印刷物により適していて、印刷屋さんによっては、10部以下の冊数でも印刷してくれます。欠点としては、オフセット印刷のようにたくさん刷ったからといって、一部あたりの単価が早々変わりはないということ、古いオンデマンド印刷機はどうしても品質が悪いという点でしょうか。また、基本的にパソコンを使えない人には、従来の印刷方式に比較してより敷居の高い印刷方法ともいえそうです。