印刷に関する資格
実際に印刷に関わる仕事をする場合、特に必要な資格というものは実はありません。出版業をはじめるにしても、印刷屋さんをはじめるにしても、免許も必要ありません。また、印刷業界、特にDTP分野は年々進化していますから、転職であれば資格よりも経験を優先する場合が多くなっています。どちらかといえば資格よりも実力重視という業界なのです。ですから、印刷関係の資格は、どうしても転職や就職に有利な資格というより、仕事をとるために必要なスキルを証明するための資格という面が強くなっています。それでは実際、どんな印刷に関する資格があるのか見ていきましょう。
■印刷技能士
国家資格である技能検定制度のひとつです。凸版印刷とオフセット印刷、それぞれ1級・2級があります。
■製版技能士
国家資格である技能検定制度のひとつで、印刷する際に必要な、製版知識が必要な試験です。DTP作業、電子製版CEPS作業、プロセス製版カラースキャナ作業、プロセス製版校正作業、4種類の技能があり、1級、2級に別れています。
■DTP検定
Ⅰ種(プロフェッショナルDTP)、Ⅱ種(ディレクションDTP)、Ⅲ種(ビジネスDTP)の三種類があり、それぞれ受験料も異なります。Ⅰ種(プロフェッショナルDTP)は、オペレーターやクリエイター向けの資格で、DTP作業に必要なアプリケーションの知識が試されます。Ⅱ種(ディレクションDTP)は、編集などの印刷物を総合的に統括する仕事をしている人向けです。マック、ウインドウズ両方の知識が必要で、印刷に関する工程全ての知識が必要になります。Ⅱ種(ディレクションDTP)は、主にビジネス文書を作成するために必要な知識を問うものです。ですからDTPソフトではなくビジネスソフトを使える必要があり、DTP関係の資格としてはちょっと異色ともいえます。
■DTPエキスパート認証筆記試験
5分野の筆記試験と、課題製作がある、時間のかかる試験です。筆記試験はDTP関連知識、印刷発注側知識、印刷工程知識、色の知識、コンピューター関連知識と幅広い知識が必要。また、この認定免許は、2年間有効で資格更新のためには2年後とに試験を受けて合格する必要があります。
■アドビ認定エキスパート
DTPの生みの親とも言えるアドビの、アドビ製品に関する資格です。単一製品認定では、ひとつのソフトに関する知識を認定するもので、InDesign、GoLive、Acrobat、Photoshop、Illustrator、Premiere、After Effectsのどれかを選んで認定を受けることが出来ます。そしてスペシャリスト認定では単一製品認定全てのソフトに関する試験があり、また、マスター認定は全ての単一製品認定に合格できるくらいの実力が必要になります。ただ、スペシャリスト認定とマスター認定では印刷ではなく、WEBや動画編集に関する知識も必要なものですから、印刷に関する資格というより総合的なクリエイティブ知識を問う試験と言えます。
■アドビ認定インストラクター
文字通り、アドビ製品の使用法を教えるインストラクターを認定する資格です。アドビ認定エキスパートの単一製品認定資格がなければ認定試験は受けられません。