ちょっと知りたい、印刷のこと

印刷も通販の時代

 少量の印刷では特に広まっている仕組みに、インターネットを使ってデータ入稿を行うという方法があります。DTPソフトなどを用いで、版下をパソコンで作成し、それを印刷して貰うというものです。インターネットの高速化によって、昔とは比べ物にならない量のデータを、誰もが手軽に、そして簡単にやりとりできるようになったため、今後は印刷データの受け渡しの方法として更に増えて行くものと考えられています。そして仕上がった印刷物は、郵便や宅配便などを使って、注文者に届けてもらえば、印刷も通信販売で完了する事になります。一度も印刷屋さんに出向くことなく印刷が完成するようになったのです。
 こうしたデータ入稿が盛んなものは、特に名刺などで、速さを求める印刷に向いています。自分で印刷データを作る事が出来れば、印刷屋さんは、注文者に校正をしてもらう必要がなく、その分時間が短縮されます。また、漫画の同人誌なども、データ入稿が盛んな印刷のジャンルです。
 注意点としては、ある程度DTP知識がなければデータ入稿は難しいということです。データ入稿に対応している印刷屋さんは、どんなソフトで作られた、どんなデータを受け付けてくれるのか、ホームページなどでかなり事細かに指定していることがほとんどです。名刺にしろ、同人誌にしろ、低価格化が進んでいて、指定外のデータであれば受け付けてくれないことも少なくありません。基本的に、データ入稿の場合は、印刷屋さん側では、ほとんどDTP作業が発生しない場合の料金になっています。全く印刷・DTPの知識を持たない人がデータ入稿を利用しようとすると、イメージが大きく違う印刷物になってしまったり、追加料金が発生してしまったりすることもあるのです。通販は便利な仕組みではありますが、利用する側も大きく責任を持つ必要がある印刷方法だといえます。

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